地球守環境再生作業視察

4月29日のNPO法人地球守の環境再生作業の視察に千葉市まで行ってきました。場所は千葉市営の昭和の森の中にある四季の道。昭和の森はかなり広大な公園で105.8haもあります。よく管理された草原と森が広がります。

公園の入り口から現場まで15分くらい歩くのですが、途中タンポポの広大な草原があり、種類を見ると一般的名西洋タンポポではなかったので在来種だと思われました。草原も芝生とかを植えるのでは無く、雑草を刈り込んでいるような感じでした。遊具などもありますが、基本広い空間を市民が歩いたり、走ったりしてゆっくりと時間を過ごすような場所になっているようでした。

今回視察させていただいた再生作業は、通常の作業とは少し違っています。令和元年に台風15号の影響で公園内の杉林がかなりの数、倒されてしまったのですが、それを再生するにあたって通常皆伐して重機を入れてならしたうえで苗木を植えるという方法をとるところを、風倒木も生かしながらより自然に近い方法で環境再生を図るようにしています。ただ、その作業を業者に丸投げするのではなく、多くの市民を巻き込みながら、かつ、楽しみながら行おうという試みなのです。

催しを主催しているのはNPO法人地球守で、代表は『土中環境』の著者でもある高田宏臣さん。『土中環境』はこの手の書籍としては異例の増刷が続いている本で、私たちが忘れてしまった伝統知を生かしながら環境再生を図るといった内容になっています。これは、かなりザックリした説明で、内容を読んでもらわないと本当の面白さは伝わらないかな。(回し者ではない…いや回し者かもしれない)

1年半程前から再生活動を行っているといいますが、千葉市の力強いバックアップの下、市民を巻き込んでの「イベント」的な要素もあって、この日も小さい子どもを連れた家庭の方々も多くさんかされていましたよ。千葉市のお偉い方々も土木作業着で参加しておりました。

市民の参加者が、行うのは木を植える作業なんだけど、いろいろと仕掛けが用意されています。まず、苗木が福祉団体などが地球守の指導の下で作ったものであること。それも、通常のやりかたではなく、森の葉っぱなどを苗床にした特製(ある意味あたりまえ)のものを使っています。

また、市民が苗木を植えるのですが、さすがに手間のかかる山仕事の部分は2日前から、地球守のスタッフやより深く関わっているボランティアの方々などと先行して作業をしていたたようで、マウンドと呼ばれる大きな苗床?木が育ちやすい場所を作っていました。市民の方々はそこに、落葉広葉樹や常緑広葉樹を日照のことを考えながら場所を選んで植えていきました。

しかし、残念なことに途中から雨が本降りになってしまい、作業は午前中で終了ということに…。でも、参加された方々は、皆不思議と満足げな感じで帰途についていました。スタッフの方々のキビキビした動きに感心しつつ四季の道を後にしました。

おそらく、昔は、村人が「山役目」とかいう名前で作業していたことだったのだと思います。自分たちの暮らす裏山を自分たちの手で守っていたんでしょう。でも、今、主に行政や専門家と呼ばれる土木の人々の手によって近代的な手法をとって土木作業は行われるようになっています。もう一度、自然環境の保全を自分事にできないかという問いがこのワークショップには感じられます。そして、私たちも中津干潟につながる山国川集水域の自然を考えるとき同じ問いを発してしまうのでした。

これが噂の昭和の森公園入り口付近です。気持ちのよい公園です。でもあいにくの天気。

入り口看板ときれいな草花。

ちょっとゴルフ場っぽい広大な草地。よく刈り込んであり、これで晴天だったら…。

作業場付近に竹でつくられた落ち葉ステーションがありました。

ここが今回の作業場、倒れた多く杉は伐採されていますが、根などはそのままにしています。

ちょっとわかりにくいけど前回しょくじゅした場所です。苗木がぐんぐん伸びています。

切り株も残したまま、手前にマウンドをつくりそこに苗木を植えます。

あ、作業道具も販売してました。でも、こんなの持って飛行機には乗れないし…。

中央やや左で説明しているのが地球守代表の高田さん。しゃべりが暖かい。

階段もそこにある材料でつくる。そして、雨が降っても水がドンドン流れないような工夫も。

雨水が徐々に地中にしみこむように、地中に空気の層ができるようにいろいろと工夫が。

植樹には、大量の炭(竹炭、クンタン)と落ち葉(落葉広葉樹・常緑広葉樹ブレンド)が。

小さな子どもたちも一杯参加していました。

お昼頃にはけっこうな雨になってしまい…〆のごあいさつ。一応高田代表にもご挨拶してきました。忙しそうだったんで、ほんと挨拶だけでしたがあたたかそうな人柄が伝わってきました。

市民の皆さんが帰ってから、スタッフみんなで片付け…ほんとうに手際がいい。

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