市報に載りました!

6/1号の中津市報に水辺に遊ぶ会が取り上げられました。ありがとうございました。

6月は環境月間ということもあって、いろいろな環境にまつわる行事などが行われます。みなさんも1年に1月くらいは、ほんのすこしだけでも、身の回りの自然環境について考え、時々、海山川に足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

特集では、生物多様性についてとても分かりやすく書かれた文章が掲載されてます。環境と言えば、気候変動についての記事が目立ちますが、これと同様か、それ以上に重要なのが生物多様性の保全です。

これまで環境汚染など主に先進国の問題として表に出ていた事が、今や世界的に起こっています。なぜそんなことになっているのでしょう。世界の人口は1950年ごろは25億人、2050年には倍の98億人になると予想されています。100年で倍になるばかりでなく、それまで自給自足的に暮らしていた人々がアメリカに近いような膨大なエネルギーを使って生活するようになってきました。そうなると、少しくらい人が環境を壊したり、汚したりしても自然はそれを再生する力を持っていたのですが、とても間に合わなくなってしまったのです。この50年あまりで、世界の状況は大きく変わってしまっていると知る必要があると思います。

これは、地球の反対側で起こっていることではなくて、私たちのすぐ側で起こっていることでもあります。昔は普通に食べられた、魚介類が今では食べられません。なので、今の子どもたちは地元の海の幸の恵みを得ることができなくなっています。そして、今食べられている魚介類を未来の子どもたちが食べられるか分からないような状況が続いています。それは、私たちのすぐ側で起こっていることですが、これが世界に広がっているのです。

生物多様性の保全がなぜ必要かといえば、自然の複雑さが失われると、私たち人間にとってマイナスな事がいっぱい起こると言うことです。私たちは、命を食べて生きてますが、その食材そのものが手に入りにくくなっています。取り過ぎて数を減らしたり、減ってしまった結果、世界中で奪い合ってしまったりと大変です。食料を確保するために原生林や森を伐採した結果、災害が起こってしまい、気候変動とあいまって被害が拡大してしまっています。自然災害と言いながら、人災の場合もかなり増えているようです。災害が増えると保険会社が損をしてしまうので、保険料があがったり、そもそも保険に入れなかったりするような事も起こっています。

生物多様性保全の大切さを分かりやすく示すのは本当に難しいのですが、いくつかのモデルが示されてます。一つは飛行機のモデルです。空を飛んでいる飛行機を、私たちが暮らしている大自然の生態系だとします。飛行機の部品は、そこで暮らす一つ一つの種とします。一つの種が絶滅したとき、ちょうど飛行機のネジが一つ無くなったと考えてみて下さい。自然にとってそれほど大事な場所で無ければ、急に飛行機は墜落したりしません。でも、羽根の一部や、操縦席の一部など重要な部分を支えている種が絶滅すると途端に支障をきたすでしょう。さらに、窓などに穴が空いたりすると、大変なことになりますよね。そして、部品がどんどん減っていけば、それは全体にとって取り返しの付かない事態となるということです。重要な部品を、生態系ではキーストーン種などと呼びます。石橋を支えている一番重要な要の石のことですね。このキーストーン種は、だいたいの予想はできますが、環境が大きく変化してしまってからしか分からないことも多いのです。

もうひとつ例をあげれば、私たちの身の回りの自然をハンモックに例えてみます。私たち人は、その上に寝っ転がっていると思って下さい。そのうち、ハンモックの糸が一本切れてしまいました。それが、一つの種が絶滅してしまったということとします。1本や2本きれても私たちは、寝っ転がったままでいられますよね。でも、それが、10本、100本となったらどうでしょうか。1000本となったら、もう、普通に寝っ転がってはいられませんよね。今、私たちの身の回りの状況は100本なのかそれ以上の種がどんどん数をへらしているというのが実態なのです。

そういった、生物多様性がどんどん劣化しているのが現状です。どうやって、そこのブレーキを掛けることができるのかが大きな課題となっています。私たちの生活のあり方を見直すことも大切でしょう。大規模な自然改変としては、ダムや道路、大きな建築物の設置などが考えられます。これらは、私たちが現在のような生活を営む上で、一定程度必要とされてます。ただ、現状はあまりにも自然環境とのすりあわせができないままに設置されているようです。同じ、道路を設置するにしても、すこしでも自然へのインパクトを減らすこと、自然の力を活かすことを考えてつくることが求められるのです。現状にいつも疑問を持ちながら、よりよい方法を模索していかなければ、生物多様性の劣化の流れは止めることができません。

ネイチャーポジティブということばが広がっていますが、それを実現するのは至難の業と言わざるを得ません。ですが、最初からあきらめるのは、やっぱりダメで、少しでもブレーキをかけることから始める必要があると考えます。それには、まず身の回りの自然について正しく知ることが大切なんだと思います。古里の山、里、田んぼ、川、海、森などどんどんでかけてみましょう。そこからいろんな事を知ることができるし、解決策にヒントもみつかるかもしれません。

 

水辺に遊ぶ会のM理事が干潟観察会に参加していただいた親子様に説明している所が表紙に!

生物多様性についての特集記事が載せられています。とても分かりやすいです。

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