カブトガニは、「生きている化石」といわれます。他の生物種の形態が激しく変化してきたにくらべ、2億年以上にわたって同じような形態を保ち一定の環境下で安定した生活を送ってきたのです。現在こうした生物の生存が危ぶまれているということは地球環境が大きく変化していると考えられます。〔カブトガニの年齢の見分け方〕
カブトガニの一生は、まず砂浜の地下約15pに産み付けられた卵の発生から始まります。親カブトガニは去ってしまうので砂が孵卵器の役割をします。
その後、幼生は、50日〜60日の発生期間を経た後に孵化します。地下から表面まで這い上がり、外界に泳ぎ出すタイミングをうかがいます。
カブトガニは動物食ですから、成長するには、餌になる小動物が十分確保できる環境が必要です。幼生は干潟の泥の中に棲んでいるカニなどの甲殻類、稚貝などを捕食して成長し、亜成体になるとアマモ場などの沖合に移動します。
カブトガニは生まれたときが1齢で、脱皮の度に齢を重ねていきます。1回の脱皮でほぼ1.4倍の大きさになります。カブトガニの大きさは全長ではなく、前体幅の大きさで判断します。
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中津市の東浜では、1齢から12齢くらいまでの個体が数多く確認されています。
参考文献:「カブトガニの棲む干潟」
−八坂川の河川改修と環境保全
大分県土木建築部河川課 発行