中国のベッコウトンボは国宝昆虫!

これまでベッコウトンボは中国と韓国にいたことが古い記録からはっきりしていました。ただ、韓国では既に絶滅している可能性が高いと言われていましたし、中国の状況はよく分からないということでした。

昔中国で遊ばせてもらった経験から時々サイト検索をかけていたところ、2020年1月19日に、中国の天津市で2019年春にベッコウトンボが発生していたという情報をキャッチしました。

情報源はChina Biodiversity Conservation and Green Development Foundation(中国生物多样性保护与绿色发展基金会)のサイトの記事です。その後、芋づる式に、人民日報、新華社通信にも記事が出ていることを発見しました。

人民日報(人民網)
http://paper.people.com.cn/rmrbhwb/html/2019-07/08/content_1934644.htm

新華社通信
http://www.xinhuanet.com/politics/2019-07/06/c_1124718716.htm

新華社通信
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1638200054824353881&wfr=spider&for=pc

これらの情報によると2005年頃に天津市内で生息を確認していたらしいのですが、その後見られなくなり、心配していたところ、今年春に再発見したとの記述が見られます。(『大分県のトンボ』などにも記載あり)

とても中国っぽいのが、ジャイアントパンダより危急度が1段階高いというような書き方をしている点です。事実なのですがとても面白いですよね。(ちなみにベッコウトンボはIUCN Red List CR ジャイアントパンダはVU)

中国の研究者である重慶師範大学の生命科学部准教授で、世界トンボ協会(WDA)メンバーでもある、於昕(Yu Xin)先生のコメントが出ています。「ベッコウトンボは、中国で知られている800種近いトンボの中で最も貴重です。写真家が提供した写真によると、それは確かにベッコウトンボです。今回の天津でのベッコウトンボの発見は、この種の保護にとって非常に重要です。」(新華社通信 2019.07.06)

中国のすごいのは、発見から保護区の設定まで、ほんの数ヶ月でおこなわれていることです。さらに、すぐに天津の市民ボランティアがゴミ拾いなどを始めていることなどです。びっくりするほど希少生物への関心と重要性の認識の高さが感じられます。希少性ということではパンダより大切な事を正しく理解しているのですね。日本と比べると随分先進的なので驚かされます。

中国のサイトを調べていると、他にも発生地の候補が見られます。例えば合肥で少し前まで見られたとかです。また、これも中国っぽいのかも知れませんが、「国宝昆虫」というような言い回しも面白いです。中国800種の頂点、日本200種の頂点なわけなので、まぁ確かにそうなのですが、文字にすると迫力があります。わかりやすいです。

しかしまぁ、そう言うなら、中津干潟のアオギスも「国宝魚類」だしカブトガニも「国宝節足動物」と言ってもいいのでは…ちょっと広いか…。

日本も中国もベッコウトンボの保全方法について必ずしも確実な方法を確立しているわけではありません。知見の積み重ねでいうと、もしかしたら日本の方が一日の長があるかもしれません。もし中国に保護活動への支援ができたら素晴らしいと思うのですがどうでしょうか。天津市は九州から近いし、福岡からあっという間だと思うのですが。トキの時は、鳥を分けてもらいましたが、もし必要とされるなら智恵と経験を分けることができると思うのです。

今年10月には中国雲南省昆明で、生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)が開催されます。私たちにできることは何かもう一回考え直す良い機会だと思います。

写真は大分県中津市野依のベッコウトンボ

 

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