12月20日(日)に小楠コミュニティセンターをお借りして終日「中津干潟NETアカデミア」を開催いたしました。今回は無観客ということで、少々寂しい感じもしましたが、講師の先生方や学生さんたちの若さあふれる発表で楽しく過ごす事ができました。ありがとうございました。
NET利用の方は、初めての試みということもあり、ZOOM、YouTubeライブ共に若干の不手際はありましたが、なんとか乗り切る事ができました。ただ、YouTubeの方は音声の問題をクリアしないといけないという仮題はあります。ネットの総アクセス数も200ちょっとと少なめだったのも少々残念ではありましたが、いろいろとカイゼンをしていけば伸び代はあると考えております。チャレンジは続けたいと思います。
発表の準備にいそがしい学生たち。がんばってください。
開会の挨拶は、奥村理事が行いました。
ソーシャルディスタンスの会場はやっぱりちょっとさみしいですね。
ご後援をいただいているsave japan projectの間島様からビデオメッセージをいただきました。
奥塚中津市長様よりごあいさつをいただきました。
水産大学校校長の須田先生より趣旨の説明がありました。
大阪からZOOMで参加の和田太一先生は、「シコクホソオヨコエビ」についての発表です。
群馬大学の鵜﨑先生は、中津干潟の砂泥の動態についての発表でした。
大分大学の都甲先生は、中津干潟のアカニシを使った自然染料のおはなしです。マスクのきれいなムラサキは、貝染ではなくカイガラムシを利用したものらしいですよ。
水産大学校の寺岡さんは、肉食性巻き貝がどうやってエサの貝を探すのかを調べました。タイムラプスを利用した研究で、見た目にも面白い発表でした。アカニシはニオイを探ってエサのアサリを探し当てるけど、サキグロタマツメタは動き回る事で突き止めるといった、種によって探し方が違うという点がわかって面白かったです。
同校の大塚さんは、中津干潟の河口等の塩分のある湿地の生態系について調べました。塩性湿地といいますが、生物多様性の宝庫と呼んでもよいすばらしい場所なんですが、人が入るとドロべったりの過酷な環境です。調査活動は、生きもの好きでなければ罰ゲームそのものといったかんじですね。そこから研究成果を得る事ができたってぇのはえらい。
同校中野さんは、南の島のマングローブ林にすむ魚がどんなものを食べているのか調査しました。今年沖縄とか離島に行くのは至難の業ですよね。制約のある中、結構な数の魚を調べて何を食べているかを調査しました。小さい生きものたちにとってマングローブの森は隠れ家が満載で居心地がいいのでしょう。多様性も数も多い重要な生態系ですよね。
日本文理大学の学生2人の研究成果を池畑教授が代読しました。文理大の研究は数年にわたって継続的に行われているもので、この日は2つの研究が紹介されました。一つは、中津干潟の砂はどっからやってきたのかというもの。もう一つは、自然観察会が子どもたちにどのような影響を与えるかというものでした。いずれも面白い結果が出ています。
午後からは、須田有輔先生の基調講演「The Last Beachにみる砂浜の現状」を行いました。同書は、一般向けに出版された英文を須田先生が翻訳されたものです。主にアメリカ、そして世界の砂浜の現状について、詳しい解説がされています。サンドマフィアと呼ばれる反社会的案人々の存在や人間活動が砂浜や海に与えている影響について鋭い指摘が満載ですので、ご興味のある方は、本を入手され一読されることをお勧めします。
基調講演の内容に触れながら、中津干潟の過去、現在、未来について討論を行いました。中津干潟の〜というよりは、水辺に遊ぶ会はの始まりと現状、といった色合いが強めでしたが、それぞれの先生方が、水辺に遊ぶ会や中津干潟の自然にどのようにかかわって来たのか、そしてこれからどうしていくのかについて話し合いました。ただ、1時間やそこらの会議では結論を出す事はやっぱり少々難しいですよね。でも、先生方が、どうして自然を対象とした研究を始めたのか、そして今何をしているのかについては良くわかり大変勉強になりました。求められる自然、水辺に遊ぶ会の場合、よりよい中津干潟とは何かを考えていく事は永遠のテーマでもありますので、このシンポジウムを一つの起点に考えていくことにしたいと思います。
司会は、日本文理大学の池畑先生。
シンポジウムがなかなか面白かったと言ってくださる方もいてうれしかったですねぇ。
自己紹介のあと、水辺に遊ぶ会の始まりとこれまでの活動について短い映像で紹介。
日本文理大学名誉教授の杉浦先生から生態系の視点でみた中津干潟についての説明がありました。
その後それぞれのご専門の立場からいろんな話題が飛び出しました。
今回は無観客ということで、スタッフのみのイベントとなりましたが、熱意あふれる先生方、学生のおかげで無事終了する事ができました。ありがとうございました。新型コロナ問題がおさまったら、また、対話方のにぎやかな研究発表会ができることを願いながら、時代に合わせた方法を今後も模索していきたいと思います。
発表者、スタッフによる記念写真です。
共催の中津市、教育委員会、後援のセーブジャパンプロジェクト、その他ご協力いただきました皆様ありがとうございました。