地球守さんのWSに参加してきました

9月24日(土)千葉県いすみ市の夷隅川のとある川岸で、NPO法人地球守さんの「千葉・夷隅川プロジェクトの特別見学会」に行ってきました。本当は中止だったのですが、気づかず行ってしまいましたが、親切に対応頂きました。申し訳ないやらありがたいやら…。当日来られなかった参加者のみなさんは後日平日に正式な案内をするそうです。こちらは、行けるかどうかかなりビミョウなので、今回ご案内いただけて本当に助かりました。ありがとうございました。

NPO法人地球守さんは、伝統知を現在の近代土木の視点からその意味を読み解き、再評価して自然再生に役立てようと全国各地で活動を行っているところです。代表の高田宏臣さんは造園家で、今静かに土木会に旋風を巻き起こしている『土中環境』の著者でもあります。近代土木が主流というか唯一の選択肢のように言われている中、東洋そして、日本の古代から伝わってきた伝統的な土木技術を再評価して社会の中に再び実装しようと奮闘しています。

当日は、私有地でありながら、二級河川の川岸の上という立地に建物を建設しているところでの見学となりました。施主様のはからいによって実現したと言います。こういったものは中々見学できるものではありませんので、本当にありがたかったです。改めて御礼を申し上げます。本当は雨で中止だったところを気づかず来てしまった人のために無償で見学会を開いていただいた地球守様にも大変感謝しております。ご迷惑をおかけしてすみません。

さて、実際の施業ですが、以前千葉市の昭和の森公園で見学した内容によく似たものでした。加えて、大量の木杭(数百本)、枝粗朶(そだ・葉っぱつきの木の枝)、マウンド、谷、島、井桁、竹製蛇籠、聖牛的なものなどなどいろいろと見るべき、聞くべきことがらが一杯でした。1時間ほどの見学でしたが、かなりインスパイアされるものがありました。

伝統知による土木施業に共通するものはいくつかありそうです。例えば、土地を読み、なるべくその場のものを使ったり、だれでもできるよな作業を選んだりしています。高田さんは、民衆土木とかおっしゃっていたような気がします。そして何より、作業の終了が完成では無く土地を育てていくという発想が重要であると感じました。現代土木工法の良さも認めつつ、でも欠点もかなりあることを広く認めてもらい、かつて主流だった伝統の技法を復活させ、結果として防災や環境保全につなげていく。そして、元々あった自然の恵みをもう一度享受できるようにしていくことを目的としています。

日本中で、無理をしてきたツケがいろんなところに出てきています。自然災害はその中でも分かりやすい事象だと思います。その解決策の一つを地球守のみなさんが提供してくれています。今後のご活躍を祈るだけでなく、それぞれにできることを行っていきたいとも思っています。

『土中環境』の著者の高田宏臣さんが説明をしてくれました。本来中止のところ本当にありがとうございます。

川の上10m付近はこのように不連続に小さな谷をつくりつつ杭打ちと、植樹がされていました。

対岸からの様子。敷地の水をしみこませ、川へ至る過程でもう一度湧き出させる仕組みが随所にありました。

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