wadaiの底生生物調査

7月23日と24日中津干潟でRDB(レッドデータブック)関係の調査を行いました。今回の対象は底生生物。ベントスとか言ったりもします。調査を行ったのは、ベントス会にその名を知られた和田太一先生とヘナチョコ水辺調査隊。和田先生は底生生物に限らず中津干潟の生きもの達を知り尽くしていると言っても過言では無い…よね。

初日の午前中は満潮だったので、干潟には入れなかったということもあって、カブトガニの産卵調査を行いました。すると、結構な数のつがいが産卵に来ていることが分かりました。確度の高いもので7つがいでした。

午後からは、ハゼ類の希少種を調査しようとしていたのだけど、あまりにもカブトガニ(幼生)がいるもんだから途中から全面的にカブトガニ調査に傾いてしまいました。途中、泥に埋まりこんで潮を待つつがいを3つほど見つけたり、カブトガニに寄生する絶滅危惧種カブトガニウズムシを確認したりしました。帰りには、中津干潟に多く見られるイルカ・クジラの仲間のスナメリの頭の骨をみつけたりもしました。肝腎のハゼはみつけられなかったけど、イヌモアルケバなんとやらでいろいろと発見がありました。

二日目も午前中は産卵調査をしましたが、確実なのは1つもなかったものの、アヤシイのを1つだけみつけました。前日は、撮影機材を用意していなかったので、今日こそはと準備するとやってこないのでした…。こういうことはよくあります。

午後からは、ヒメケフサイソガニというオシトヤカなRDBカニを探しに干潟に行ったのですがこれまた見つかりませんでした。だが、しかし、転んでもただでは起きない、ということで、遥かにレアな生き物を見つけました。中津干潟2例目で、ここ以外では四国でしか見つかっていない希少種、その名を「シコクホソオヨコエビ」と呼びます。

これは、2014年6月に愛媛県の加茂川河口域見つかった新種(登録は2015年)で、その発見者が今回調査してくれた和田先生。学名もVictoriopisa.wadaiとお名前が入っています。当初愛媛県以外では香川県の土器川河口域でしか見つかっておらず、かつ、高知県でも出るかも知れないなぁということで和名に「シコク」が入ったんだけど、なんと中津干潟にもいるということが後日分かってしまったのである。いまさら「シコク」というのも変えるわけにもいかず、ミョーな感じになっている。とかいうオモシロイ話を聴かせてもらいましたよ。

調査風景はVTRに納めてあるので、その内編集して衝撃の発見ドキュメントとして公開したいと思っています。ので、よろしく。あともしかしたら、今年の冬に開かれる予定?の「中津干潟アカデミア」で何らかの発表があるかも知れません。ただ、新型コロナがねぇ。

これがウワサの、シコクホソオヨコエビ(Victoriopisa.wadai

調査を終えてヘトヘトの調査隊。中央水中から飛び出ているのは、カブトガニのつがいです。

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