豊かな自然を未来につなぐ

2月11日(日)中津文化会館小ホールで「豊かな自然を未来につなぐ」講演会・トークセッションを開催しました。当日は多くに市民の皆様に来ていただき大変ありがとうございます。ラムサール条約関係のお話が中心でしたが、新しい環境省の保全の枠組の「自然共生サイト」についても理解が深まるお話を聞くことができたのではないかと思います。

中津市は、ラムサール条約湿地の指定を環境基本計画に示していて、一所懸命努力をしています。また、自然共生サイトについても環境省はもとより大分県もとても勉強熱心にがんばっています。当日も市、県の職員の方、自治体の議員の方々なども出席いただき大変ありがたく思っているところです。

今回の催しは大きく前後半に分かれていました。
前半は2人の講師のお話をきくことができました。一人目はラムサール条約について、日本国際湿地保全連合前会長の名執芳博さん、元職の環境省自然環境局野生生物課課長時代に、20か所以上のラムサール条約登録湿地指定に尽力された方です。ラムサール条約、ワイズユースと「湿地自治体認証」について、お話しいただきました。「中津干潟の登録は可能ですか?」の質問に対して「十分にある」という力強いお返事をいただきました。

2人目は環境省九州地方環境事務所自然環境調整専門官の小林悟志さんに環境省の進める自然共生サイトについてお話しいただきました。30by30(サーティバイサーティ)の達成に向けて、環境省は自然共生サイトの認定を昨年から進めていますが、昨年の登録面積はわずか0.2%ということで、今後、さらに認定サイトを増やしていかなければならないということでした。「水辺に遊ぶ会が申請しようとしている2カ所について、認定されますか?」という質問に対して、「認定されます」と太鼓判を押してくれました。

※30by30(サーティバイサーティ)=2030年までに国土の30%以上を 自然環境エリアとして保全するという国家間の約束

休憩を挟んで後半はトークセッション、 4つのテーマを掲げ、対話しながら話者からお話しを伺いました。話者は前半の講師、名執さん、小林さんに加えラムサールセンタージャパン前事務局長中村玲子さん、同じくラムサールセンタージャパン副会長の武者孝幸さん、お二人は現在フェローとしてご活躍です。中村さんからは、「KODOMOラムサールの活動を是非中津でも行って未来のこどもたちに繋いでいってほしい」、武者さんからは「中津には、水にまつわる歴史や文化が多く残っており、自治体認証も受けて欲しい」というようなご意見をいただきました。

※KODOMOラムサール=「ラムサール条約を子どもたちのものに」をスローガンに登録湿地で活動する子どもたちをつなぐ環境教育プログラム。
※ラムサール条約自治体認証=湿地の保全・再生・管理への地域関係者の参加、普及啓発、環境教育等に関する国際基準に該当する自治体が認証される。現在、国内では新潟市・出水市が認証されている。

福翁が私財を投じて守ろうとしたふるさと、中津市には自慢できる自然環境がたくさん残されています。また、中津干潟は山国川の働きによってつくられた生態系の中にあります。上流から下流まで1本の一級河川の流域が一つの自治体の中にあるという点で珍しいそうです。講演会では遠くからみえた4名の専門家にふるさとの自然をたくさん褒めていただきました。ラムサール条約登録湿地・自然共生サイト認定へ確実に一歩近づいたように思います。自然環境を保全するということは、単に珍しい生き物を守るとか景観を守るということだけではなく、私たちの未来、子どもたちの未来を守っていくことに繋がると思っています。

会場にお越しいただいた皆様からも「是非中津干潟を見学したい」、「保全の仕組みについて知ることができた」、などの感想をいただきました。
自然共生サイトについては、5月の前期申請に向け動いていきます。ラムサール条約については、何段階かのステップを踏みながら登録をすすめていかねばなりません。できれば今年中に目処を立てて、努力していきますので、ご支援・ご協力をお願いいたします。

中津市内に2万枚近くチラシを配布しました。みんな見てくれましたでしょうか?

8時過ぎ、そろそろ受付開始です。がんばりましょう。

開始前に一枚パチリ!中村さん、武者さん、笑顔がステキです!田口さんはちょっとカタイかなぁ。

さぁ、いよいよ、始まりのアナウンスです。理事長、スタッフともに緊張の一瞬です。

福澤プロジェクトの協賛ということで、郷土の偉人福澤諭吉が古里の自然を守った故事をご説明。

ラムサール条約指定湿地、ラムサール自治体認証、子どもラムサールなど聞けたらいいなぁ。

4名のスペシャリストにお話を聞くことができました。ありがとうございましあ。

はじめに日本国際湿地保全連合前会長名執芳博さんにお話を伺いました。

大分にもレンジャーとして勤務されていたので何だか身近に感じます。九重のミヤマキリシマをバックに。

続いて、環境省九州地方事務所自然環境調整専門官の小林悟志さんに自然共生サイトのお話を聞きました。

陸と海の30%を保全する国際的な約束にあわせて、大企業を中心に登録希望が殺到しているらしいです。

後半は、トークセッション。足利理事長がコーディネーターでがんばりました。

前半の講師2名様にラムサールセンタージャパンのフェロー、中村玲子さんと武者孝幸さんが加わりました。

テーマ1では、まずは中津の自然環境の印象をおうかがいして、べたぼめの言葉になんだか面はゆいです。

テーマ2は、ラムサール、自然共生サイトになるとどんなイイことがあるのかをききました。

テーマ3では、指定を受けるとどんな社会・経済的なメリットがあるのかがよくわかりましたよ。

最後のテーマ4では、未来の希望、子どもたちの活動、子どもラムサールについて教えていただきました。

で、子どもの頃に発案された、ラムサールセンタージャパン副会長の田辺篤志さんが急きょ登場です。

ラムサールや自然共生サイトへの登録は、とてもメリットが大きいことがよく分かりました

開場では、中津の楽しい生きものたちの写真展も同時に行いました。

生きものたちのことは、案外知られているようで知らないことが分かったのでは無いでしょうか。

渡り鳥にとってもとても大切な場所となってます。今すぐ登録ですね!(笑)

イベント終了後に、沖代条里など中津の水環境について詳しく視察していただきました。

条里の透明看板にみなさん興味津々です。こんなのが残っているのかと驚きと感動でした。

ベッコウトンボの発生地の一つ植野池にも息ました。実は、前日に山国川や鶴市神社なども行ったよ。

大分県の予算でつけていただいた手すりをつかって上り下りです。

ベッコウトンボの発生地の中心、野依新池にも来ていただき、皆さん大変よろこんでいただきました。

この一帯は、古代の焼きものの山であることを話すとこれまた結構興味津々のようすでしたよ。

潮が引くのを待って、いよいよ本命中津干潟、大新田海岸に行きました。広さ、自然の豊かさに感動。

何でこんなすごいところが、保全の指定を受けていないのかと首をかしげるシーンも。

最後にみんな笑って記念撮影です!また、遊びにきていただければうれしいです。

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