インドから研究者の皆さんが来訪

2月11日から16日ごろ、富山大学のシャミック・チャクラボルティ准教授など研究者のご一行が「ひがたらぼ」を訪れました。目的は、中津の水環境及び中津干潟の自然とインドのベンガル地方を比較することです。研究分野は、その土地の歴史や文化、自然環境などを総合的に調べる人「文地理学」と川や地下水など地域の水の流れを中心に自然環境を考える「水文学」の視点を通してのちょっと学際的な感じの内容となっています。中津干潟調査のあとは、インドのベンガル地方に行くそうです。

チャクラボルティ准教授は、APU立命館アジア太平洋大学でDr.の学位を取ったこともあり、大分には縁が深いです。ご専門は人文地理学で、以前、中津干潟の研究論文をまとめ、査読論文として海外の専門誌に掲載されました。また、インドのセントラルユニバーシティ准教授のアミット・チャッタージー氏さんも同じ人文地理学の立場で、中津干潟の港の歴史的遷移から、自然環境への影響について調べようとしています。公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGESといった方が一般には分かりやすい環境省関連の研究機関です)の主任研究員であるパンカジ・クマール氏は、水文学と呼ばれる分野のエキスパートです。測定された気象データや水質、流量などから水の流れを読み解きコンピュータでシミュレーションする事などに詳しいです。これに、今回は来られませんでしたが、地理情報システム(GIS)の専門家である東京大学の先生を加えた4名のチームで研究を推進していきます。あと、調整役として、富山大学の大学院生Iさんが同行されました。

今回の調査では、中津干潟の自然環境、歴史的な事柄、水質等の詳細な情報などの収集、今後の研究方針の決定などを行いました。水質の情報につていては、中津市終末処理場のデータをいただけることになり大変助かっています。今後、小・中学生や高校生、また大学生などを中心に地域の自然環境、文化などにつてアンケート調査を行いたいと思っています。

これから行われる調査、分析によって、中津干潟の新しい顔を見ることができると期待します。私たちの暮らす中津地域は、私たちが考えている以上にすばらしいところで、海外の研究者からも注目されています。今後、干潟の利用・保全について、韓国などの先進的な取組をしている地域とも情報交換などを行っていきたいと思っています。

 

初日は、中津干潟をあるいて調査です。セットバック護岸や海岸部の湧き水、海草の繁茂などいろいろと調べました。

中津土木事務所が設置した看板を見ながら、中津干潟の生態系に思いを馳せます。

左からクマール氏、富山大学のI院生、チャクラボルティ氏、チャッタージー氏みんさん明るい方たちでした。

全国でもほとんど残されていない、古代の土地区画「条里」を見学するみなさん。スゴイと感動していました。

連日、富山大学のI院生も交えて和気あいあいの打ち合わせ作業。お土産のインドグリーンティを飲みつつ…。

中津の水環境といえば、青の洞門ということで最終日にご案内。水害についてもお話ししました。

石橋の文化と水害、斜め堰、荒瀬井路についてなど伝統的な技術や水との関係などについてもリサーチです。

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